近年私たちは、モノやコトを所有するのではなく、利用することに重点を置いている。価値意識が所有価値から利用価値へ変化しており、サービスのサブスクリプション化を促進している。その範囲は、デジタル財だけでなく物理的な商品にも拡大している。同様にITからICTへの移行に伴い、クラウド・サービスの利用が進んでいる。
本記事では、現在進んでいるクラウド・サービスについてアメリカの企業を例に挙げながら紹介する。

Amazon Web Servicesより

Microsoft 365
クラウド・サービスの代表例として「Microsoft Office 365」や、amazonが提供する「アマゾン ウェブ サービス(AWS)」が挙げられる。これらのサブスクは、アメリカが世界中を通して業務効率化やグローバルなネットワークの確保、セキュリティ強化をし、イノベーションを加速させたい企業担当者に向けて配信しているサービスである。その他にも、音声通信・データ通信サービスを提供するMVNO事業(Mobile Virtual Network Operator)などの新規事業も参入している。これらのサブスクは、DX推進の機運とともにその市場拡大が加速したといえる。強力なテクノロジーを活用し、より俊敏性の高い自動化された業務が期待されることで、作業効率化や脱所有化を進めている。IT競争力の高いアメリカでは、このサブスク化により身軽になったことで、作業の効率化だけでなく、日々変化するニーズや情報への迅速な対応も可能にした。顧客のニーズが複雑化している昨今の状況には必要不可欠である。

一方で、クラウド・サービスには課題もある。ICT業界がこの事業に参入するにあたり、顧客、企業の双方にとって適切な情報やプロセスノウハウが必要になる。従来の売り切り型のビジネスを展開していた企業が、サブスク化にも対応するのは
一筋縄ではいかないからだ。顧客にとっても、どのようなパッケージを購入するか考えなければ、使わないサービスに登録してしまう可能性もある。この課題を解決するためには、業務構築の自動化が必要になる。顧客への対応は、企業側の具体的情報の掲示が求められる。
サブスク化の動きは多岐にみられ、それはインターネット関連に留まることなく、商品やICT業界にまで及んでいる。アメリカではこのような脱アナログ・脱所有化を推進することでICTを通して作業の効率化を図っている。この流れによってクラウド・サービスが普及すると、さらなるイノベーションにも期待できる。
太宰 潮「サブスクリプション・サービス利用と顧客満足の特性」閲覧日2023/6/11
NRI青嶋 稔 「シリーズ デジタル時代のリカーリングビジネス構築第1回 なぜ今、リカーリングビジネスか」知的資産創造 2020年5月号 閲覧日2023/6/11
https://www.nri.com/jp/know ledge/publication/cc/chitekishisan/lst/2020/05/05
雨宮 寛二「サブスクリプションのビジネスモデル分析と考察」2020年全国研究発表大会.閲覧日2023/6/12
アマゾンウェブサービス(AWS) https://aws.amazon.com/jp/what-is-aws/
Microsoft 365 https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365
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国際統計カテゴリ一覧 > カテゴリ:情報通信 > IT競争力/閲覧日2023/6/13

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