オーストラリアでのeHealthケア
1.HOPEの概要
オーストラリアのニューサウスウェールズ州では、eHealth NSWという独自のヘルスケアサービスが2014年から導入されている。今回その内のHealth Outcomes and Patient Experience(HOPE)というITプラットフォームに注目した。HOPEは、心拍数や血圧などの数値で可視化されているものだけではなく、患者自身のメンタル面や睡眠の質の状態、買い物に出かけられた回数など日常生活の情報を臨床医にリアルタイムで報告することができる。この情報をもとに臨床医は、その患者に合ったより良いケアをいち早く提案、提供することが可能になる。
HOPE で利用されているアンケートは、自分の気持ち、状態を正確に表現しやすく他の医療ケアよりもより具体的な生活習慣の問題となる部分を見つけやすくなる。そのため必要な医療ケアをすぐに受けることができ、患者の生活の質と全体的なケアの質も向上されるのである。
患者は、治療期間中何度も状態を報告するよう求められ、個人の症状の重さ、全体的な生活の質の情報が長期的に提供される。
一連のケア全体にわたる患者の情報を可視化させることで、ケアチームは患者の医療行程のさまざまな段階にわたるデータを取得できるようになり、患者のニーズや好みに合わせたより総合的なケアにつなげることができる。
HOPE を通じて、医療チームはレポートやダッシュボードにリアルタイムでアクセスできるだけでなく、独自のレポートを作成することもできる。集計データは、医療サービス全体がうまく機能していることを評価するために使用でき、サービス提供の改善も促されている。
eHealth NSW は、ニューサウスウェールズ州が今後 10 年間にわたり、ニューサウスウェールズ州全体で世界クラスの eHealth 対応医療サービスを提供できるように導くため、NSW Health 2016 年から 2026 年の10年に渡るehealth戦略(コア臨床システム、従業員の管理システム、データの分析、セキュリティ保護など計7つの分野について)を開発した。そのため今後さらにeHealth NSWを活用した医療技術の需要、レベルが高まっていくだろう。
2.HOPE利用率

参考文献
「Health Outcomes and Patient Experience – Patient Reported Measures」A NSW Government website 2022年10月 2023年6月7日アクセス
「eHealth NSW」AIDH 2023年6月7日アクセス

「eHealth NSW Transforms Public Health System with the Cloud」aws 2022年2023年6月7日アクセス
