日本のGIGAスクール構想への期待と課題 

1.​はじめに​ 

 新型コロナウイルス感染症が猛威を振い、約三年。一斉休校の判断を余儀なくされ非対面形式が推奨されたこの期間に日本のICT教育が遅れているという事実が明らかになった。 

この記事では日本がICT教育にどのように取り組んでいたかについてみていく。 

​​​1.2 そもそも「GIGAスクール構想」とは一体何なのか 

 2019年日本の文部科学省は21世紀型教育としてGIGAスクール構想の実現を目指すことを発表した。以下、文部科学省が定義するGIGAスクール構想である。 

文部科学省では、子どもたちに向けて、1人1台の端末をはじめICT環境の整備を行っています。[文字列の折り返しの区切り] 社会のあらゆる場所でICTの活用が日常のものとなっている今の時代を生きる子どもたちにとって、ICT端末は鉛筆やノートと並ぶマストアイテムです。[文字列の折り返しの区切り] インターネットなどを使って、何かを調べ議論したり、良識のある情報発信をしていくためのものです。[文字列の折り返しの区切り] 授業の中で、わかる授業や魅力ある授業の実現に役立てていきます​​ 

 要約すると日本全国の子どもたちに一人一台の端末とインターネット環境を整備し、学校の授業で使ってもらおうということである。 

 なぜこのような結論に至ったのか。 

出典:title (mext.go.jp) 2023/06/13アクセス 

2018年に行われた調査によると、日本の子どもたちは他国のOECD加盟国の子どもたちと比較して、学習目的でデジタル機器を使用する割合が極端に低かったのだ。ここで着目すべきポイントはゲームやチャットなどの娯楽目的ではデジタル機器を使用しているということである。 

つまり子どもたちはデジタル機器の使用に慣れていないのではなく、学校をはじめとする学ぶ目的でのデジタル機器の使用ができていなかったということなのである。 

2.ICT教育のメリット 

 学習目的でデジタル機器を使用することには​以下の​メリットが存在する。 

第一に勉強する内容が理解しやすくなる。デジタル機器を使用することで、映像を視聴することができたり、写真を見ることができたりと、子どもたちの理解を早める効果がある。先生の話を聞く一方通行な授業ではなく、自分でインターネットを使って調べたりと主体的に取り組むことができるようになることもまたメリットの一つである。 

 ​さらに​インターネットが発達し、フェイクニュースなど情報が錯綜する現代において、自分で必要な情報を取捨選択する力を身につけることは非常に重要だ。ICTリテラシーの観点からも、学校でICT教育を行うことは需要が高いといえる。 

 今日の日常生活においてインターネットは必要不可欠なものである。そのため学校でそれらの扱い方を学ぶことは自然の流れではないだろうか。 

しかし家庭の事情で自分のデバイスを所持することができない子どもも存在する。だからこそ文部科学省が提示しているGIGAスクール構想は必須の取り組みといえるのだ。 

​​ただし​まだ問題は多く、多くの学校の先生がデバイスをどのように授業内で使用したらよいのか模索している最中でもある。これからの日本はどのようにICT教育を学校の授業に取り入れていくのかを議論していくことが重要になっていくといえる。 

参考文献 

ICT教育とは?学校教育での導入事例などを解説 | eラーニングのデジタル・ナレッジ (digital-knowledge.co.jp) 2023/6/13アクセス 

GIGA(ぎが)スクール構想(こうそう)とは?:文部科学省 (mext.go.jp)2023/6/13アクセス 

GIGAスクール構想の実現について:文部科学省 (mext.go.jp) 2023/6/13アクセス 

title (mext.go.jp) 2023/6/13アクセス