日本時間2023年5月17日、アメリカ合衆国モンタナ州知事のGreg Gianforteは中国共産党から個人情報を守るという名目のもと、モンタナ州でのTikTokの利用を禁止した。2022年12月には政府が供与しているデバイスや州のネットワークに繋げている間についてのTikTokの使用については禁止をしていたが、今回の声明により範囲が広がることになる。
また禁止される対象はTikTokに留まらない。モンタナ州では2023年6月1日より、TikTokを提供するByteDance社によるCapCutとLemon8、ロシアで設立されたTelegram Messenger、中国のPinduoduo社が提供するTemu、Tencent社が提供するWeChatも取り上げた。モンタナ州の行政機関やその職員らは外国に個人情報を与えうるそれらのアプリについては政府が支給する携帯電話、ノートパソコン、タブレット、ディスクトップパソコンなどインターネットに接続された全てのデバイスについて、これらのアプリの利用を禁止した。声明では、もしこれらのアプリが現在デバイスにダウンロードされている場合には即座にアンインストールすることを呼びかけている。
Greg GianforteがTwitterに掲載した文書に対しては様々な反応が寄せられている。この声明に対して賛成の意見がある一方で同じSNSの一つであるTwitterでこの文書を掲載していることに対する疑問の声も上がっている。
今回の声明には外国への個人情報等のデータが漏洩する恐れが背景にある。この背景を考えると自国のTwitter社のSNSを利用することは問題ないとみられる。また中国ではGoogleの利用ができないなど互いに規制をし合っているのが現状である。
ここで日本の利用状況について考える。ICT総研が発表した「2022年度SNS利用動向に関する調査」によるとネットユーザーに占めるLINE利用率は79.5%、YouTube62.0%、Twitter55.9%など海外の企業が提供するSNSの利用割合が高いのが特徴である。
日本で提供されるSNSの利用割合はニコニコ動画がわずか11.4%とかなり低くなっている。日本はSNSのかなりの割合を海外企業のものに依存している。にも関わらず、SNSの利用については制限がない。個人情報を含むデータが海外企業、及び政府に流入することが問題になっている中で、日本はモンタナ州と同様に政府支給の機密性の高いデバイスのみで規制すべきなのか考えるべきである。
参考
HIS 中国で使えないLINE・Googleなどに代わるアプリはこれ!スマホを駆使して快適な旅を! https://hotels.his-j.com/ct/tripiteasy/post-17905/
ICT総研 2022年度SNS利用動向に関する調査 https://ictr.co.jp/report/20220517-2.html/